History刃物の町 関市

刀都(とうと)関の秋を彩る一大イベント「岐阜県関市刃物まつり」

岐阜県関市は700有余年の伝統を持つ刃物のまち。そんな刀都(とうと)関の秋を彩る一大イベントが「岐阜県関市刃物まつり」です。このイベントは、1968年に始まり、半世紀以上も続いています。刃物まつりの一番の魅力は、市内刃物メーカー、卸売業者40社以上が出店する「刃物大廉売市」です。包丁やはさみ、爪切り、ナイフなど豊富な高品質の「関の刃物」が、刃物まつりならではのお値打ち価格で販売されます。また、この刃物まつりでしか販売されないアウトレット品なども販売されており、良質な刃物をお手頃価格で購入することができるかもしれません。

「刃物大廉売市」にも負けていない魅力的なイベントが、市内だけではなく全国のナイフメーカーが展示・販売する「関アウトドアズナイフショー」です。市内ファクトリーメーカーや国内だけではなく国外のカスタムメーカーの種類豊富なナイフを多数展示しています。また、この刃物まつりでしか買うことができない限定ナイフや特別価格ナイフの販売もされています。
その他にも、刀匠による火花飛び散る圧巻の古式日本刀鍛錬実演や居合切り・抜刀術の実演、包丁研ぎ、刃物検定など、「刃物のまち」ならではのイベントが繰り広げられます。

関伝の卓越した伝統技法や精神が引き継がれる「関の刃物」

関市に刀鍛冶が誕生したのは鎌倉時代。関鍛冶の刀祖とされる「元重」と「金重」がこの関の地に移り住み、刀鍛冶を始めたといわれています。良質の焼刃土と炉に使う松炭、そして長良川と津保川の良質な水、刀鍛冶にとって理想的な風土条件を備えたこの土地にいつしか多くの刀匠が集まりました。室町時代には刀匠が300人を超え、「折れず、曲がらず、よく切れる」といわれた関の刀は、その名を全国に広めていきました。関の刀は「五箇伝(大和・山城・備前・相州・美濃)」からなる五代流派のひとつ「美濃伝」の流れを汲む「関伝」と呼ばれ、数々の名刀を生み出してきました。

特に「関伝」を有名にしたのは、「関の孫六」で知られる「二代目兼元」と「和泉守兼定」です。兼元(孫六)は、独特の鍛刀法(四方詰め)により頑丈な刀をつくり、その刃文は「三本杉」として有名になりました。この卓越した「伝統技法」から生まれた刀は戦国時代の武将の間で「関物」と好まれ、備前と並ぶ刀の産地となりました。こうして生まれた技法とモノづくりの精神が、現代の「関の刃物」に受け継がれています。そして、今や「世界三大刃物産地」の一つとして国内のみならず、海外にも広く知られています。

●主催 関市刃物まつり実行委員会
 構成 岐阜県関刃物産業連合会、
    関商工会議所、関伝日本刀鍛錬技術保存会、関市本町通商店街連合会、関市、(一社)関市観光協会)
●後援 岐阜県、(一社)岐阜県観光連盟、関市教育委員会、美濃和紙あかりアート展実行委員会